ぎょうむれんらく。
とらのあなさんにて勇パル本委託販売すたあとしたもようでふ。
花の季節なので、毎年恒例の京都巡りへ。
今年は早く咲くとの予報だったので早くいったもののまだ花ほとんどの桜は1~2分咲きがせいぜいでしたが、宇治に行って橋姫についてがっつり調べてきたのでそちらをば。
これが現在の宇治橋。
どうやら日本でも最古の大橋らしく、その建立は大化2年(646年)とか。
大化の改新の頃!?
これはびっくり。
この橋を架ける際に、橋の守護神として、宇治川上流から瀬織津比咩(せおりつひめ)を勧進して祀ったとのことで、これが後に橋姫の由来となった模様。
当初は宇治橋の途中に張り出した部分(三の間)に社殿があったそうな。
これは、橋を守護するに留まらず、橋、つまり境界を隔てて侵入してくる悪しきものを防ぐ守護神だったようです。
後、平安時代に入ると宇治は貴族の別荘地(別業)に。
すると「宇治の橋姫」は「内(うち)の愛(は)し姫」という掛け言葉からか、(都から)の男の訪れを待つ女性のイメージが作られ、いじらしい女性像が形成されていったようで、源氏物語なんかにも、そうした話が出てくるようになります。
「橋姫の 心をくみて 高瀬さす 棹のしづくに 袖ぞぬれぬる」
しかし、愛も冷めれば待てど暮らせど来なくなってしまう訳で・・・・。
そうして通わなくなった男への思慕の念を募らせる、恨み女としての橋姫の像が出てきたようです。
それが転じて能の「金輪」などでお馴染み、丑の刻参りで川に身を浸して鬼となり、男をあるいは浮気相手の女を殺す、怖~い怖い女性の像に(笑)
ちなみにこの宇治川、ご覧の通り、かなり流れが速いです。
さらさら流れる、というよりゴーゴー流れております。
今はこんなだけど、昔はもっと穏やかな川だったのかと思いきやそんなことはなく、昔からゴーゴーだったようで源氏物語でも「いと、荒ましき水の音、波の響きに・・・」などと書かれているし、何度も橋も壊れているとか。
そもそも、橋の建立についても「べんべんたる横流、其の疾きこと箭(や)の如し。(~中略~)重深に赴かんと欲すれば、人馬命を亡くす」と書かれていたりして。
・・・・・・・・・・・・・・根性とかいう問題じゃなさすぎるっ
あのー、この川に身を浸して呪うより、相手を直接ごっすんした方が早くて確実じゃないっすか橋姫様!?
浅いところに立っても、何かの拍子に水かさ増えたらあっさり死ねることうけあいですよ??
そういや、源氏物語の浮舟も宇治川入水で死んだって話(実際は入水してなかったけど)だったっけ?
しかも金輪では21日とか浸かるんでしたっけ???
勇儀の姐さん顔負けな、橋姫様の下半身の力強さに脱帽です(ぇー
真面目な話、昔の技術では橋も良く壊れたり落ちたりするのが普通。
また、水は自然にあるものを使うしかなかった平安時代では、水は大切であると同時に川の氾濫があれば近くの人、民家、畑にも被害があるということで、川は恵みをもたらすと同時に怖い存在でもありました。
橋に関する伝承では、よく人柱を捧げて川を沈めたり、神や妖怪に頼んで落ちない橋を掛けてもらう話がありますが、そうした橋の二面性、人を飲み込む怖さなどがあいまって、橋を通るものを取り殺す橋姫の像が生まれていったのではないでしょうか。
ちなみに現在は伝承の元となった元祖橋姫様(瀬織津比咩様)は、場所を移して近所の橋姫神社に祭られております。
橋姫様は川の流れを河口まで運び、海から河口に上って迎えに来る別の神に引き渡す女神という話もあり、元来厄神様と同じように人を守ってくれる存在だったようですが、ここから転じて、世の中のあらゆる苦難や悪縁を水に流してほしいという人たちがお参りするようになったとか。
ちなみに、悪縁を切ってくれる橋姫様のお隣にはなぜか、縁結びの住吉神がいたりします。
いいのかなあ(笑)
一説にはこの二柱、ご夫婦だとか。
他にも、宇治離宮神が旦那で、夫が通った日の朝は出立の際に波が高くなるという伝説も。
・・・・・・・だがパルパルの婿(あるいは嫁)は勇儀さんしか認めん!(ぉ
色々資料も買ってきたので、もう少し読みこなして、別ページにまとめたいなあと思いつつ。
そんなこといってるといつまでも書けないことうけあいなのでブログに簡単にまとめてみました。
もし宇治に行かれて、橋姫についてお調べになりたい方は、以下の場所を巡ると良いかと思います。
行くべし!
1. 宇治橋 (橋姫伝説の舞台です。京阪駅側のたもとには、秀吉の時代から橋の守護を勤めていた一族の方のお店が)
2. 橋姫神社 (昔宇治橋にあった橋姫神社を移転させたもの。社は小さいですが説明書きは要注意)
3. 観光センター (資料を買うならここ!)
余裕あればこのへんも
4. 源氏物語ミュージアム (20分のミニ映画「橋姫」やってます。図書館もあるけど、参考になりそうなものは見つからず)
5. 宇治寺 (宇治橋の起源が刻まれた石が置いてあります。大したものではないけど間近で見るなら有料。200円。)
6. 平等院 (宇治の別業が栄えていた頃の建物です。源氏物語の宇治十帖の舞台でもあったり。)
丑の刻参りの話は貴船に纏わりますが、こちらも行ってまいりましたのでまた後日に。
ひとまず今日はこれにて。
蛇足ですが4の源氏物語ミュージアムについて
駅にこんなん張ってあったんですよ。
・・・ええ、もちろん行ってきましたよ。
そりゃあもう、だって・・・・ねえ?
内容は20分のミニ映画で、宇治十帖のダイジェスト。
語り部その1が、宇治の橋姫というものです。
・・・・・・・・・・・・まあぶっちゃけ。
これの橋姫、龍の模様の着物着た、不気味に色ボケたこわ~いおばちゃnどんぶらこ
(川に誰か流された模様です)
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- 2009/03/29(日) 23:33:01|
- 東方資料|
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