昨日は4月の1日だったというのに嘘のひとつもなく、京都巡りの旅のお話。
ワシは嘘つけんのじゃ、鬼じゃけえ(ぇ
前回の鞍馬の山を鞍馬駅とは逆の方向に下山して、貴船神社へ。
この貴船神社、「鉄輪」の橋姫が、自分を鬼にしてくれと参った地。
祈雨や、止雨の神様、高龗神(たかおかみのかみ)が奉られております。
絵馬の起源となった地でもあり、雨を降らすには黒い馬、止ませるためには白・または赤馬を献じたのが、そのうち本物の馬でなく代わりとなるものを献じたのがその起こりだとか。
雨や、心願成就の神でもあり、鬼になりたくば宇治の川につかれというお告げをしたのも、水神ならでは?
でも京都を挟んで貴船神社と宇治では真逆の位置にあります、なんでこんなお話になったのでしょうね。
それはさておき、境内にあったマップを見てみますと、鉄輪(ここでは金輪になていますが)についても記述が。
橋姫が鉄輪を置いた石があるとか。
どこどこ?
うーん、記述だけで場所が書いてありません。
おうけいそれでは聞いてみましょう、ということで、神社の巫女さんに橋姫縁の地はどこですかと質問。
帰ってきた答えは、あれはフィクションなので、特にそういう場所はないけれど、奥宮には橋姫について少し書いてある、とのこと。
むむむ、さっきのマップはなんなのでしょう。
といいますか、正論ではあるのですが、神社とかお寺も基本は客商売、伝承と俗説と大法螺まがいの宣伝が混じって参拝客を増やしている、みたいな図式がよくあるのですが、硬派な巫女さんですね(笑)
鞍馬山といい、立て札はそういった商売っ気があって、寺社のスタンスが違うこともあり。
よく見ると、立て札類は、京都市やらなんとかの会やらのものであったりして、必ずしも寺社が立ててるもののようです。
うんうん、参拝客増やすにはそういう色気大切ですよね。
とまれ、奥宮に行く前に今の本宮を見て回ります。
流石は水の神の社、ご神水がありました。
わりとおいしいです。
また、水占と呼ばれるおみくじもあり、これを神水に浮かべると占いの文字が浮かび出てくるというものでした。
いいなあこれ、おもしろいです。
そちらを堪能したら、一路奥宮へ。
途中中宮があり、磐長姫が奉られているとのこと。
木花咲夜姫ではなく、ぶちゃいくだったお姉さんのほうが奉られているということで興味をひかれましたが(お参りしたら寿命延びるのでしょうか(笑))、とりあえず今はまっすぐ奥宮へ。
(ちなみにこの中宮は、夫と疎遠になった時に和泉の式部も参ったという縁結びの社としても有名で、結び文を献じて男女に限らず人同士や会社、学業などの縁も結んでくださるそうです。・・・うーん、またパルパルと逆です(笑))
さて、10分程度てくてく登って着きました奥宮、門をくぐると、なんだかだだっぴろい広場になっております。
そのすみっこのほうに、ちょこちょこ建物類が。
天喜3年(1055年)にもう少し下った場所へ移る前は、ここが社殿の場所だったそうです。
とりあえず船の形の岩やら、奥宮やらにお参り。
改修中らしき建物の横を抜けて広場に戻ろうとした所で、鉄輪に関する記述のある立て札を発見しました。
これだ!
さてこれによると、貴船神社は古来より水の神として崇敬され、心願成就信仰としての「丑ノ刻詣」で知られているといいます。
そして、昔、宇治の橋姫が丑ノ刻詣りをして男に呪いをかけた伝説があり、これを元に謡曲「鉄輪」がつくられたとか。
(ちなみに先ほどマップにあった橋姫が鉄輪を置いたという鉄輪掛岩は、貴船口駅の付近にあるそうです)
ただ、丑ノ刻詣は、祭神が国土豊潤のため丑年丑月丑刻に光臨されたという故事を元に、あらゆる心願成就のため人々が詣るものであるそうで、呪いだけが丑ノ刻詣ではない、なぞと書いてありました。
なるほど、そういうものなのですね。
皆様これからは丑の刻参りぶちかましてくるパルパルを見かけても、荒ぶる川を沈め五穀豊穣をもたらすため、あるいは橋を渡るもの無事のため、祈りを捧げているのだと思ってあげてください、呪いだけじゃないんです呪いだけじゃ(ぇぇー
もっとも丑ノ刻参りといえば、
前日に詣でた清水寺敷地内の地主神社では、
縁結びの神社にモロに
「丑の刻まいり」で、ワラ人形を五寸釘でうちつけて、
他者にのろいをかけた跡です
ってのがありましたが・・・。
しかも無数に・・・・・・
更にに余談ですが、平安時代のすぐ後といえば鎌倉時代なわけですが、その鎌倉でも某源の頼朝様の墓で有名な某神社の境内の木にも、無数の人工的な小さな穴が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
怖ぇぇぇぇぇ!!
とまれ、そんな感じでパルパル縁の地、そして天狗縁の地の散策を終えたのでした。
めでたしめでたし。
そうそう、帰りに山道を下っていたら、良い感じの風景があったので、川を写そうとちょいと足を止めたら、
バキッ!
という音がして枝が目の前に落下してきました。
そこまで大きな枝ではなかったものの、当たったら痛かったことうけあいで、思わずその場で川の神様に向かって手を合わせ、貴船口からの電車に乗って帰路についたのでした。
■追記
Q. 賢いご来場者のみなさまはお気づきでしょうが、鉄輪掛岩の話が出てきませんね、何故でしょう?
A. すっかり忘れてたあああああああああ!
■追記の追記
後日もういっぺんいってまいりまして、駅にあるお店の人に聞いてみたところ(駅自体は無人です)そんな岩はないのだとのことでした。120年前を知ってるおばあさんだかなんだかに聞いても「ない」という話だったそうで、ここを訪れたお客さんに聞かれるものの「フィクションです」と答えるしかないそうな。
ちなみに、あの鉄輪掛岩について書かれたマップ、神社の方でなく謡曲の方達がたてたそうで、神社の方も勝手に撤去できないとかなんとか・・・・。ありゃりゃん。フィクションなのは百も承知なんですが、観光地化するならするで一応立て札なりなんなり出してくれると嬉しいのですがのうー。
ついでにマップも見直したら、途中で橋姫が参ったときに牛になったとかいう岩もあるのですね。一応帰りにバスの中からながめてたけど、それっぽい大きな岩はいくつかあったのですが、どれだか分からんかったです。これもちゃんと特定の岩がそれってことにしてないのかなあ。
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- 2009/04/02(木) 22:47:20|
- 東方資料|
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